正月の和歌山・川添茶の初揉み会、昔ながらの製法で手作り茶を作る


正月の和歌山・川添茶の初揉み会、昔ながらの製法にチャレンジ

ある日、新聞の記事で、毎年1月に昔ながらの手作り製法でお茶を作る
「初揉み会」という会があるということを知りました。

毎日が忙しく、今までとは違うことに参加するのは少し億劫に、
なっていたのですが、ここはチャレンジしてみるか。

と思い切りました。

今までの自宅で作るお茶とは違う本格的な作り方に惹かれました。

珍しく「初揉み会」にはチャレンジしてみたいと思い参加してみました。

申し込みをしてみると、初揉み会が少し楽しみになってきました。

初揉み会とは川添茶のPRと昔ながらの手もみ製法での作り方を
伝えるために毎年1月に開催されています。

新年を迎え、新茶を揉んで乾燥させ、お茶に仕上げる会の
事を「初揉み会」といいます。

茶葉は、茶摘みの季節に摘んだ新茶をそのまま新年まで
冷凍保存しておくそうです。

「お茶の葉を冷凍できるんだ!」

とまずびっくりしました。

「焙炉(ほいろ)」と呼ばれる製茶用の乾燥炉を使います。

木の枠に厚手の和紙が張られ、その下から火の調節がしやすい
ガスバーナーで乾燥させながらお茶を揉みます。

3グループに分かれて数人で作業するのですが、その揉む作業が
もっとびっくりするくらい大変なのです。

グループの数人で交代しながら和紙の上で乾燥させる時間も含め
トータル5~6時間かけてお茶に仕上げます。

時間にすると8:00~13:30頃まで揉みながらの乾燥作業が続きます。

なぜそんなによく揉むのか?

と疑問に思い質問をしてみたところ・・・。

まず、茎に含まれる水分と、茶葉に含まれる水分を均等にしながら
乾燥を均一にするのが大切。

次に、揉むことで茶葉を針状になり、お湯を注いだ時にしっかり
広がるようにするためだそうです。

そしてよく揉むほどにマイルドな味になると教えてくれました。

ベテランの方をみていると、長時間揉んでも平気そうで、
力強さと、リズムがあります。

茶葉の様子を見ながら揉む手順があり、揉み方の流派まであるそうです。

「なるほど揉む会だ。」

と納得しました。

お昼の頃、グループのメンバーで交代しながら、用意してくれた
おにぎりをいただきました。

余談ですが、その時一緒に出してくれた手作りのお漬物が絶品でした。

正月の和歌山・川添茶の初揉み会、出来立ての川添茶を味のうまみ

14:00頃から揉んで乾燥させた出来立てのお茶を味わいました。
3グループで完成したお茶の飲み比べです。

同じ茶葉を使っているのになぜかそれぞれ味が違います。

甘味、渋味、風味などが、揉む力や微妙な火の温度、それぞれの
手の癖などによって味が変わるのです。

お茶の淹れ方や茶葉のことも勉強できました。

お湯の温度がキーポイントで、温度が高いと渋味が出るのです。

一番上質の玉露は50度~60度がベスト。

よく飲まれている煎茶は70度~80度くらいが美味しく
いただけるのだそうです。

少しぬるめの温度がいいんですね。

一緒に作業をした皆さんと話しをしながらお茶をいただく時間は、疲れてはいる。
けれど、共同作業をした後だからか同士のような心地よさがありました。

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初揉み会で初めて出会った方がほとんどでしたが、いろんなお話や情報なども
聞けて、とても楽しい時間となりました。

正月の和歌山・川添茶の初揉み会、家でも手をかけてお茶を入れる

「初揉み会」に参加した後和歌山のお茶全般について調べると
こんなことが分かってきました。

お茶の産地は静岡や京都が有名ですね。

和歌山でも県南部の昼夜の寒暖差が大きく、
朝夕霧がよく出る地域でお茶が作られています。

色川茶 川添茶 音無茶 紀州茶など年間15トンほどの
生産量があります。

そして周囲を見渡しても私の居住地域でも山茶(さんちゃ)と
呼ばれているお茶の木がある家が多くあります。

それぞれの家の味の家庭用のお茶が作られています。

自宅の周りにもお茶の木があり、田舎暮らしを始めてから
近所の方に教えていただいました。

毎年茶摘みをし、釜で茶葉を煎り、揉んで乾燥させて
お茶を作っています。

それまで、買って飲むものだと思っていたお茶が
とても身近になりました。

山茶はそのままお湯を注ぐと最後に渋味がのこるので、
渋味を抑えなければなりません。

お茶を淹れる前にフライパンで煎ってから使います。

煎っているとパチパチと茶葉が弾け、いい香りがしてきます。

そのお茶を使って作る「茶粥」も和歌山の食文化となっています。
家でお茶を作る習慣がなかった私も小さい頃から食べていました。

何時間もかけて揉んだお茶はほんとうに美味しかったのです。

早速持ち帰ったお茶を、お湯の温度を忠実に計って淹れると「
美味しい」と子供たちも喜びました。

今年作った自家製のお茶も今まで以上に揉んでみると角が取れたように
美味しくなりました。

これからの家のお茶作りも楽しみになりました。

【チャレンジすることの大切さ】

私にはこのチャレンジといえる経験を通して学んだことがあります。

それは私には時間の使い方や、日々の生活の見直しが必要だということです。

加えて失敗を恐れずいつもチャレンジをする気持ちを
忘れてはいけないということです。

この2点に気付けたことは「初揉み会」での別の面での収穫でした。

日々子育てに追われ、忙しく、慌ただしい時間ではなく、何も考えず一心にお茶を
揉む時間は、あっという間でしたが日常を忘れました。

お茶の美味しさを最大限に引き出す淹れ方でお茶をいただくと

「毎日を丁寧に過ごそう」

という風に思えました。

出回っているお茶のほとんどは機械で作られている中、しっかり自分の手で本格的な
お茶を作れた事は本当に貴重な経験でした。
 
新年に「初揉み会」といういつもと違う体験をする中で、伝統、大変さ、本当の味を
通して、時間の使い方や、日々の生活の見直しを考えさせられました。

億劫さに負けず、何かにチャレンジすることはいろんな発見がありました。
忙しいからこそ大切なのかもしれません。

「初揉み会」への参加はいい時間でした。

毎年茶摘みをし、釜で茶葉を煎り、揉んで乾燥させてお茶を作っています。

山茶はそのままお湯を注ぐと最後に渋味がのこるので、渋味を抑えるため、お茶を
淹れる前にフライパンで煎ってから使います。

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