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こんにちは！みんな暑さも寒さも厳しいですね、高垣です。
この記事を読んで頂きありがとうございます。
今日は
「危険と智慧の水神ー『坎為水』の深遠な教え」
について私なりの見解を書いてみたいと思います。
目次
基本的な卦の性質ー水の流れが示す試練と洞察
坎為水は「困難の中にある智慧」を象徴する重要な卦です。
水の持つ二面性（危険と恵み）から人生の真理を学べます。
困難な状況でも諦めずに流れ続けることの大切さを教えています。
『坎為水（かんいすい）』は、『易経』六十四卦の第二十九卦にあたる卦で、上下ともに坎（☵）が重なった純坎の卦です。坎は一陽爻が二陰爻に挟まれた構造（−− −−− −−）を持ち、これが二つ重なることで、深い困難の中にも希望の光が宿ることを示しています。
この卦は「水」を象徴しており、水の持つ様々な性質を通して人生の教訓を伝えています。水は時に優しく潤いを与え、時に激流となって障害を乗り越え、また時には深い淵となって危険をもたらします。このような水の多面性こそが、坎為水の本質なのです。
古代中国では、水を「智慧の象徴」として捉えていました。老子の「上善如水（上善は水の如し）」という言葉が示すように、水は低いところに流れ、争わず、しかし石をも穿つ力を持っています。坎為水は、このような水の智慧を私たちに教えてくれる卦なのです。
と構造
坎為水とは？――卦の基本構造と象徴的意味を詳しく解説
坎為水の構造を詳しく見てみましょう。上卦も下卦も坎（☵）で構成されており、これは「険難重複」つまり困難が二重に重なった状態を表しています。しかし、これは単なる不幸を意味するのではありません。
坎の一画ずつを見ると、上下の陰爻に挟まれた真ん中の一陽爻が特に重要です。これは「困難の中心に光がある」ことを示しており、どんなに厳しい状況でも希望を失ってはいけないという教えが込められています。まるで真っ暗な夜空に輝く一筋の星のように、困難な状況の中にこそ本当の智慧や成長の機会があるのです。
水の性質から見ると、坎為水は以下のような特徴を持っています：
流動性：状況に応じて形を変える柔軟性
浸透力：どんな隙間にも入り込む適応力
継続性：障害があっても流れ続ける持続力
清浄作用：汚れを洗い流す浄化の力
これらの性質は、現代を生きる私たちにとっても非常に参考になる生き方の指針となります。
坎為水の卦辞を読み解く ― 試練と危機のメッセージ
坎為水の卦辞は「習坎、有孚維心亨、行有尚」です。この短い言葉の中に、深い人生の智慧が込められています。
習坎（しゅうかん）：「習」は重複や繰り返しを意味し、「坎」は困難や危険を指します。つまり、困難が何度も繰り返し訪れる状況を表しています。現代で言えば、仕事での失敗が続いたり、人間関係のトラブルが重なったりする状況に相当します。
有孚維心亨（ゆうふいしんこう）：「孚」は誠実さや信頼を、「維心」は心を保つことを、「亨」は通じることを意味します。困難な状況においても、誠実な心を保ち続けることで道が開けるという教えです。これは現代のビジネスでも同様で、困難な時期こそ信頼関係が重要になります。
行有尚（こうゆうしょう）：「行」は行動を、「尚」は価値や意義を表します。困難の中でも正しい行動を取ることに価値があるという意味です。結果が見えなくても、正しいと信じる道を歩み続けることの大切さを教えています。
この卦辞全体を現代的に解釈すると、「困難が重なっても、誠実な心を失わず、正しい行動を続けることで必ず道は開ける」という力強いメッセージが読み取れます。
象辞の深意 ― 水の流れが示す成長と学びの道
坎為水の象辞は「水洊至、習坎、君子以常徳行、習教事」です。これを詳しく解釈してみましょう。
水洊至（すいせんし）：「洊」は重ねて至るという意味で、水が何度も繰り返し流れてくる様子を表しています。これは困難が一度だけでなく、波のように何度も押し寄せてくることを意味しています。人生においても、一つの問題が解決したと思ったら、また新しい問題が現れることはよくあることです。
習坎：卦辞と同じく、困難の重複を表しています。
君子以常徳行（くんしもってじょうとくこう）：「常徳」は変わらない徳を、「行」は実践することを意味します。困難な時こそ、普段と変わらない良い行いを続けることが大切だという教えです。現代で言えば、会社が厳しい状況にあっても、基本的な倫理観や顧客への誠実な対応を変えないことに相当します。
習教事（しゅうきょうじ）：「習」は学習や練習を、「教事」は教育や指導を意味します。困難を通じて学び、その経験を他者に伝えることの重要性を示しています。
この象辞は、困難を単なる障害として捉えるのではなく、学習と成長の機会として活用することの大切さを教えています。
六爻解説 ― 初爻から上爻までの段階別の吉凶と示唆
坎為水の六爻は、困難な状況における段階的な対応方法を示しています。各爻の意味を詳しく見てみましょう。
初六「習坎、入于坎窞、凶」
最初の段階では、困難にはまり込んでしまう危険があります。「坎窞（かんたん）」は深い穴を意味し、問題の深刻さを認識できずに状況を悪化させてしまう状態です。現代で言えば、借金問題を軽く考えて更に借金を重ねてしまうような状況に相当します。この段階では慎重さが最も重要です。
九二「坎有険、求小得」
二番目の段階では、困難の存在を認識し、小さな成果を求めるようになります。「小得」は小さな収穫を意味し、大きな成功を求めず、着実に前進することの大切さを教えています。受験勉強で言えば、一気に偏差値を上げようとせず、毎日少しずつでも確実に勉強を積み重ねることに相当します。
六三「来之坎坎、険且枕、入于坎窞、勿用」
三番目の段階は最も困難な時期です。「坎坎」は困難が重なることを、「險且枕」は危険で身動きが取れないことを表しています。この時期は無理に行動せず、時機を待つことが賢明です。現代で言えば、転職活動で複数の会社から不採用通知を受けた時期に相当し、焦って行動せず、実力を蓄える時期として捉えることが大切です。
六四「樽酒簋貳、用缶、納約自牖、終無咎」
四番目の段階では、質素でも誠実な対応が求められます。「樽酒簋貳」は簡素な供え物を、「用缶」は素焼きの器を使うことを意味し、華美を避けて実質を重んじることの大切さを教えています。「納約自牖」は窓から約束を取り交わすことを表し、正面からではなく柔軟な方法でコミュニケーションを取ることを示しています。
九五「坎不盈、祗既平、無咎」
五番目の段階では、困難が平静化に向かいます。「坎不盈」は水が溢れないことを、「祗既平」はようやく平らになることを意味しています。この段階では謙遜を保ち、油断しないことが重要です。事業が軌道に乗り始めた時期に相当し、成功に驕らず堅実に歩み続けることの大切さを教えています。
上六「係用徽纆、寘于叢棘、三歳不得、凶」
最後の段階では、過度な束縛や固執による失敗の危険があります。「徽纆」は縄で縛ることを、「叢棘」は茨の茂みを意味し、自らを困難な状況に追い込んでしまう危険性を警告しています。「三歳不得」は長期間解決できないことを表し、柔軟性を失うことの危険性を教えています。
実占における三つの読み方
本卦を読む（問いの性質と現状）
坎為水が本卦として現れた場合、現在の状況は困難に満ちているが、その中に成長の機会が隠されていることを意味します。質問者は何らかの困難な状況に直面しており、それが一時的なものではなく継続的な課題である可能性が高いです。
しかし、この困難は決して乗り越えられないものではありません。水が岩を削るように、継続的な努力と誠実な対応によって必ず道が開けることを示しています。現状を嘆くよりも、この困難を通じて何を学び、どのように成長できるかを考えることが重要です。
変爻を見る（何がどのように変わるのか）
変爻がある場合、その爻の意味に従って状況の変化を読み取ります。例えば、九二が変爻の場合、小さな成果を積み重ねることで状況が改善することを示しています。六三が変爻の場合、現在は行動を控え、時機を待つことが重要であることを教えています。
変爻は変化の方向性を示すため、どの爻が変化するかによって、困難への対処法が大きく異なります。急激な変化を求めるのではなく、変爻が示す段階的な対応を心がけることが成功への鍵となります。
之卦を読む（変化後の未来・行き先）
坎為水から変化した之卦は、困難を乗り越えた後の状況を示しています。例えば、地水師に変化した場合、困難を通じて得た経験が組織やチームを率いる力になることを意味します。水山蹇に変化した場合、一時的な困難はあるものの、最終的には安定した状況に到達することを示しています。
之卦を読む際は、困難が永続的なものではなく、必ず次の段階があることを理解することが重要です。現在の困難は、より良い未来への準備期間として捉えることができます。
澤風大過の象意 ― 澤と風が示す大きな力の使い方のまとめ
『坎為水』は、困難な状況における智慧と対処法を教えてくれる重要な卦です。水の持つ柔軟性と継続性、そして困難を乗り越える力を私たちの人生に活かすことで、どんな困難も乗り越えることができます。
現代社会は変化が激しく、予期せぬ困難に直面することが多くあります。しかし、坎為水の教えを心に留めることで、困難を成長の機会として捉え、誠実で継続的な努力によって必ず道を見つけることができるでしょう。
重要なことは、困難を避けるのではなく、それと向き合い、学び、成長することです。水が最終的に海に至るように、私たちも継続的な努力によって必ず目標に到達することができるのです。
困難な状況でも誠実さを失わず継続することが最も重要。
小さな改善の積み重ねが大きな変化をもたらす。
困難は成長の機会として捉え、そこから学ぶ姿勢が大切。
水のように柔軟性を保ちながら、目標に向かって流れ続ける。
それでは、いかがでしたか？
危険と智慧の水神ー『坎為水』の深遠な教え
についてのまとました。
にぜひご参考にしてみて下さい。
