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こんにちは!みんな寒さに負けないように、高垣です。
この記事を読んで頂きありがとうございます。
今日は
「天水訟から学ぶ ― 理に基づき争いを超える道」
について私なりの見解を書いてみたいと思います。
目次
基本的な天水訟の卦の性質
天水訟は「争い」や「対立」を表す卦ですが、単なる喧嘩ではなく、正義や真実を求めて立ち上がる意味も持っています。この卦が出た時は、慎重に行動し、調和を大切にすることが重要です。
易占いの世界には64の卦があり、それぞれが人生の様々な状況を表しています。今回ご紹介する「天水訟(てんすいしょう)」は、第6番目の卦として位置づけられており、「争い」や「訴訟」という意味を持つ重要な卦の一つです。
初めて易占いに触れる方にとって、「争い」という言葉は少し怖く感じられるかもしれません。しかし、天水訟は単純な争いごとだけを表すのではなく、正義を求める心や、真実を明らかにしようとする意志も表現しています。
この卦を正しく理解することで、人生の困難な局面での判断材料として活用できるでしょう。
天水訟の卦の象徴的意味と構造
天水訟の卦は、上卦が乾(天)、下卦が坎(水)の組み合わせから成り立っています。この構造を理解することが、卦の本質を把握する第一歩となります。
乾は天を表し、剛健で積極的、上昇する性質を持ちます。一方、坎は水を表し、険難や困難、下降する性質を持っています。天は上に向かい、水は下に向かう。この相反する動きが、まさに対立や争いの象徴となっているのです。
天は明るく正義を象徴し、水は深い知恵や智謀を表します。つまり、天水訟は「正義と智謀の対立」「明と暗の争い」「上下の不調和」を意味しているのです。
この卦の特徴は、どちらも悪ではないということです。天の正義も、水の智謀も、それぞれに価値があります。しかし、方向性が異なるため衝突が生じてしまうのです。これは現実の人間関係でも良くある状況で、どちらも正しいと思っているからこそ争いが深刻になることを表しています。
卦辞の読み解き ― 争いの中に潜む正義と警告
天水訟の卦辞は「訟、有孚窒惕、中吉、終凶、利見大人、不利渉大川」と記されています。この短い文章の中に、この卦の本質的な意味が込められています。
「有孚窒惕」は「誠実さはあるが塞がれて恐れている」という意味です。争いの当事者に悪意はなく、むしろ誠実さがあるからこそ、自分の正義を主張しているのです。しかし、その結果として道が塞がれ、恐れや不安が生じています。
「中吉、終凶」は非常に重要な教えです。「中程度までは吉だが、最終的には凶となる」という意味で、争いを続けることの危険性を警告しています。
適度なところで止めることができれば良い結果を得られますが、徹底的に争い抜こうとすると破滅的な結果を招くということです。
「利見大人」は「偉大な人に会うことが有利」という意味で、争いが生じた時は、第三者の賢明な判断を仰ぐべきだということを教えています。当事者だけでは解決が困難な問題も、中立的で智恵のある人の助言によって解決の糸口が見つかることを示しています。
「不利渉大川」は「大きな川を渡るには不利」という意味で、大きな冒険や重大な決断は避けるべき時期であることを表しています。争いがある時期に新たな大きなことを始めるのは危険だということです。
象辞の示す世界 ― 天と水が相背く構図の意味
象辞では「天と水、行き違う。君子はこれによって事を作すに必ず謀を最初にする」と説かれています。この言葉は、天水訟の卦の深い教訓を示しています。
天と水の行き違いは、自然界の摂理を表現しています。天は上昇し、水は下降する。この相反する動きは避けられない自然現象ですが、だからこそ人間は智恵を働かせて対処する必要があるのです。
「事を作すに必ず謀を最初にする」という教えは、何か行動を起こす前には必ず十分な計画と準備が必要だということです。争いが生じるのは、多くの場合、最初の計画や相談が不十分だったからです。事前にしっかりと話し合い、お互いの立場を理解し合っていれば、多くの争いは避けることができます。
この象辞は、争いが起きた後の対処法だけでなく、争いを予防するための智恵も教えてくれています。予防は治療に勝るという考え方は、現代の私たちにとっても非常に重要な教訓です。
六爻で読む天水訟――争いの段階と解決へのヒント
天水訟の各爻には、争いの発展段階と対処法が詳しく描かれています。
初六(最下位の陰爻):「事を永くせず、小しく言うことあり、終には吉」
争いの初期段階を表します。まだ小さな不満や意見の相違程度で、長引かせなければ問題ありません。この段階で適切に対処すれば、結果的に良い関係を築けることを示しています。日常生活では、小さな誤解や不満は早めに話し合いで解決することの大切さを教えています。
九二(下から2番目の陽爻):「訟に勝てず、帰りて逋る。その邑人三百戸、眚なし」
争いに負けて退却することを表しますが、これは恥ずべきことではありません。時には退くことが最良の選択であり、そうすることで多くの人を災いから守ることができます。プライドよりも実益を取る智恵の重要性を示しています。
六三(中央下の陰爻):「旧徳を食む、貞にして厲し、終には吉。あるいは王事に従えば、成すことなし」
過去の積み重ねた徳や努力に頼って生きる時期です。新しいことに手を出すよりも、今あるものを大切にし、堅実に歩むことが重要です。この時期の挑戦は実を結びにくいことを警告しています。
九四(中央上の陽爻):「訟に勝てず、命に復帰す、安貞にして吉」
争いを諦めて、本来の道に戻ることの重要性を説いています。自分の本分を見つめ直し、争いから離れて安定した生活を選択することで、真の幸福を得られることを示しています。
九五(上から2番目の陽爻):「訟、大いに吉」
これは争いにおける理想的な位置を表します。中正の徳を備えた指導者として、公平な判断を下すことができる立場です。しかし、これは争いの当事者ではなく、調停者としての立場での吉です。
上九(最上位の陽爻):「あるいはこれに鞶帯を錫うも、終日にして三たび褫奪せらる」
争いに勝って栄誉を得ても、それは長続きしないことを警告しています。力ずくで得た勝利は不安定で、結局は失うことになります。真の勝利とは何かを考えさせる深い教えです。
実占における三つの読み方
本卦を読む(問いの性質と現状)
天水訟が本卦として現れた場合、現在の状況に対立や争いの要素があることを示しています。しかし、これは必ずしも激しい喧嘩や訴訟を意味するわけではありません。
恋愛関係では、意見の食い違いや価値観の相違があることを表します。お互いに愛情はあるものの、考え方の違いから衝突が生じやすい状況です。この時期は相手の立場を理解し、歩み寄りの姿勢を持つことが重要です。
仕事関係では、上司や同僚との意見の対立、方針の違いなどが生じやすい時期です。自分の正義感から行動することは大切ですが、組織全体の調和も考慮する必要があります。独りよがりにならず、周囲との協調を心がけましょう。
健康面では、身体のバランスが崩れやすい状態を表します。上半身と下半身、心と体のバランスに注意が必要です。ストレスからくる体調不良にも注意が必要な時期です。
金運については、金銭的な争いや契約上のトラブルに注意が必要です。大きな投資や重要な契約は避け、慎重に行動することが求められます。
変爻を見る(何がどのように変わるのか)
変爻がある場合は、争いの転換点を示しています。どの爻が変化するかによって、状況の変化の方向性が決まります。
初爻が変化する場合は、小さな争いが解決に向かうことを示します。早めの対処が功を奏し、大きな問題に発展することを避けられます。
中爻(二爻から五爻)が変化する場合は、争いの本質的な部分に変化が生じることを表します。当事者の心境の変化や、新たな情報の発覚などにより、状況が大きく変わる可能性があります。
上爻が変化する場合は、争いの結末に関わる重要な変化を示します。勝敗の決着や、第三者の介入による解決などが期待できます。
之卦を読む(変化後の未来・行き先)
之卦は変爻があることで生成される卦で、最終的な結果や未来の方向性を示します。
天水訟から変化する之卦は、変爻の位置により様々ですが、多くの場合、調和や安定に向かう卦が現れます。これは争いが最終的には解決に向かい、より良い状況が生まれることを示唆しています。
ます。
天水訟の意味と解釈――争いを超えて理に立つ智慧
天水訟の卦について基本的な性質から実占での読み方、現代生活への応用まで詳しく解説しました。争いという困難な状況に対して、古代中国の智恵がいかに現代でも有用であるかをご理解いただけたでしょうか。易占いは単なる占いではなく、人生を豊かにする智恵の宝庫です。天水訟の教えを日常生活に活かし、調和の取れた人間関係を築いていきましょう。
天水訟は、易経六十四卦の中で「意見の食い違い」や「争い」をあらわす卦です。天が上に、水が下にある配置は、上と下がかみ合わず調和しない様子を示しており、人間関係や仕事、家庭などで対立や衝突が起こりやすい状況を映し出しています。しかし、ここで大切なのは「争いそのものが悪いのではない」という点です。
むしろ、ぶつかり合う中で正しいことを見つけ、冷静に筋道を立てて解決へ進むことが求められます。感情的になると争いはこじれますが、理性や公平さを大事にすれば、学びや成長につながります。例えば、友達や家族との意見の違い、職場でのやり取りなどでも、この卦の示すように「相手を否定せず、事実や正しさを見極める態度」が必要です。
天水訟は、争いをどう受け止め、どう活かすかを考えるための知恵を与えてくれます。
それでは、いかがでしたか?
天水訟から学ぶ ― 理に基づき争いを超える道
についてのまとました。
にぜひご参考にしてみて下さい。